遺言がないと困るケース

【遺言がないと困るケース】

① 子がない夫婦の場合
お子さんがいない場合、ご主人が亡くなると相続人は妻とご主人の父母、または兄弟になります。妻がご主人名義の預貯金や土地建物を名義変更するにはご主人の父母または兄弟の協力が必要になります。ご主人の生前から良好な親族関係であるなら問題はありませんが、確執があったりすると協力をしてくれない場合がでてきます。こんなとき遺言があると助かります。以前、同様なケースで妻とご主人の母親がもめたことがありました。たんすの奥からご主人の遺言書がみつかり、助かったことがあります。
② 内縁の妻がいる場合
長い間、実際の夫婦関係のように生活をともにされている方がいます。籍を入れていないだけで実質的に夫婦なのですが、法律上の夫婦ではありません。籍を入れずしてご主人が亡くなってしまうと内縁の妻は相続人にはなることができません。いくら一緒に生活をして財産を築いたとしてもご主人名義の財産を受け取ることができないのです。こんな場合も遺言書が有効です。遺言を書いておけば、法律上の妻でなくても財産を渡すことができます。
③ 嫁に遺産を残したい場合
息子の嫁に生活のお世話になっているケースがあります。息子は数年前に亡くなり、その後も同居していたので、家のことはお嫁さんにしてもらっています。日常生活も不自由となり介護までしてもらっています。こんなにお世話になっていますが自分が死んでもお嫁さんに遺産は入りません。お嫁さんは相続人ではないからです。遺言でお世話になったお嫁さんに財産を分けてあげましょう。
④ 前妻の子がいる場合
離婚した妻との間に子供がいます。でも数十年会っていません。再婚し子供にも恵まれ幸福な生活を営んできました。遺言なくして将来亡くなると、預貯金の払い出し、土地建物の名義変更に前妻の子の協力が必要になります。問題にならなければいいのですが、印鑑を押してくれないと何もできなくなってしまいます。こんなときも遺言書があれば前妻の子の協力がなくても手続きをすることができるのです。
⑤ 行方不明者がいる場合
預貯金の払い出し、土地建物の名義変更をする場合、必ず法定相続人の実印の押印と印鑑証明書の提出を求められます。法定相続人に行方不明者がいると実印の押印をすることができません。この場合は家庭裁判所に不在者(行方不明者)財産管理人の選任申立をします。不在者財産管理人が実印を押印することになるのです。しかし、手続きが煩雑なうえ、時間と費用がかかります。遺言書があれば安心です。行方不明者がいたとしてもスムーズに手続きをすることができるのです。
⑥ 親族がいない場合
相続人がいない場合、築いた財産の行き場がありません。このまま放置すると最終的には国にいくことになります。しかし、せっかく築いた財産ですからお世話になった方や団体、困っている方や団体に寄付するのもいいでしょう。お世話になった人、お墓を守ってくれる人、お寺や協会、福祉団体に寄付する遺言を書いておくのもいいことだと思います。

プロフィール

司法書士 岩屋口智栄

司法書士

岩屋口 智栄

Tomoe Iwayaguchi

認定番号 第302058 号

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